組織のミカタ

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ローレンス佐藤のオフィシャルブログ

あなたの課にロンリーガイはいませんか?

会社において、「課」は会社の最も基本となる組織だと私は常々考えています。課長以下の社員が一番リアルに自分の所属意識を持てる場所であり、会社のビジネスを組織的な役割分担に落とし込んだ時の最小単位、それが「課」です。大企業になれば、さらに「係」があり、「係長」もありますが、多くの企業では「課」が、現場の最前線になると思います。

 

つまり、会社の実務の主体は「課」です。そして、その課をリードする責任を持たされているのが「課長」です。大半の企業において「課」は課長が課員全員を把握できるレベルのサイズ感です。おおよそ、10名~20名くらいが平均的サイズかと思います。中にはひとつの課で100名規模という会社もあるとは思いますが、ここでは例外とします。

 

課長は、課員全員を把握し、管理し、育成し、会社から求められている課の任務を果たさなくてはなりません。各課が任務を果たさなければ、会社の業務は止まってしまいます。野球に例えれば、ひとつのチームが会社で、メンバー9人のひとりひとりがひとつの課のようなものです。守備についた時、それぞれのポジションがひとつの課です。それぞれが役割を果たさなければ、チームは崩壊してしまいます。

 

そんな課をリードする課長の責任は重大ですが、課のマネージメントは非常に大変だと思います。なぜなら、一番リアルに「生人間」と接するポジションだからです。部長クラスになれば、基本課長をマネージしながら、会社を動かしていく立場です。「会社人」としての立場をすでに理解している課長に対して、会社や事業の方向性を示していくのが仕事なので、社員ひとりひとりに関わることはそんなに多くありません。ところが、課長はまだ「会社人」になりきっていない、荒削りで、不安定で、生煮えで、ワイルドな(笑)社員ひとりひとりと対面し、ドップリと浸からなくてはなりません。新入社員が加入したりなんかすると、もうヒヤヒヤ!なんて課長さんも多いのではないでしょうか?

 

課長の仕事は課員ひとりひとりと向き合うことです。残念ながらそこから逃れることはできません。好もうと好まざると、今目の前の課員があなたの部下であり、メンバーであり、チームです。ひとりひとりと向き合わずして、課のミッションを果たすことはできません。

 

「私は上司で相手は部下なんだから、私は仕事を指示するだけ。やるべき仕事をやらないなんてあり得ないし、認めない。そんな人間は厳しく評価する。」課長さんのこういうご意見も一方であろうかと思います。確かに理解はできますが、果たしてこれで課のミッションをより良く果たせるでしょうか?

 

「こうあるべき!」を押し付けられて、喜ぶ人間がどれほどいるでしょうか。何より、あなたはどうですか?それでやる気になりますか?人間はどこまでいっても人間で、感情の生き物だということを忘れてはいけません。立場の上下が感情を駆逐することはありません。感情が隠されていくだけです。そして、人は口を噤みはじめ、組織は冷え込んでいきます。

 

なので、相手の考えを聞き取り、理解することはとても大切です。その為に、1対1の面談でじっくりと話を聞くことも重要です。しかし、かと言って、ひとりひとりの感情、さらには不平、不満にどこまで付き合うのか、という問題もあります。

 

そこで大事なのが、「全員の前で、ひとりひとりが思いを語る場」です。課長との1対1の面談は、課長との関係性構築には効果的ですが、課の中でその人の舞台を作ることには繋がりません。肝心なのは、課の中に、ひとりひとりの舞台を作っていくことです。それにより、その人の居場所が組織の中に作られ、その人が安心して力を発揮できるようになります。

 

組織の中に自分の舞台がなく、居場所もなく、自分を表現できず、言葉を噤み、オーラが消えてしまっている人。そんな自分に苛立って攻撃的になっている人。すでに諦め顔の人。逆に居場所がなくなる不安にかられて必死に自己アピールすることに取り憑かれて周りから煙たがられている人。あなたの課にはいませんか?

 

そういう人を総称して「ロンリーガイ」と私は呼んでいます。これは、私が学んだメソッドの哲学の中にある言葉ですが、いずれも、「組織」と「自分」が心理的に離れてしまっている人、あるいは、「本来の自分」と「組織の中での自分」が大きく乖離してしまっている人です。そんな「ロンリーガイ」に活力と笑顔、そして自信を取り戻してもらうには、所属している今の組織の中で、皆とともにプレイし、表現し、語る場を作ることが一番です。

 

「いやいや、結果を出させるのが一番だ」という考え方もあると思います。もちろん、会社なので、それぞれが与えられた役割を果たし、結果を出すことは重要ですし、会社の大前提です。ただ、ここでは、それがそうならなくて困っている課長にフォーカスしています。特に、課に「ロンリーガイ」が存在している場合、結果ありきの議論をしてしまうと、「結果を出せなければ、自分はここに居場所がない」と思わせてしまい、それで奮起する人ならいいですが、大抵の場合「ロンリーガイ」はそうなりません。彼ら彼女らに対して「結果」の議論をするのは次の段階です。まず大切なのは、「まだ結果は出てなかったとしても(もちろん出ていても)、あなたはこの課のメンバーであり、意見を発する権利と責任があり、あなたの言葉はあなたの考えとして、他のメンバーの言葉と同様、等しく尊重される」ということをしっかりと体感してもらうことです。ただそう口頭で伝えるだけでは不十分で、「体感」してもらわなくては、本当の意味では伝わりません。「体感」こそがリアリティです。

 

なので、私は全員が100%自分を持ち込んで参加できるPlayfulな体感ミーティングを実践しています。それが、レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップです。

 

私の思いは常に「ロンリーガイ」の存在にフォーカスしています。自分がかつてそうだったので、その辛さは骨身に沁みています。ロンリーガイな課長さんがたくさんいらっしゃることも知っています。でも、課長と課員が互いに「ロンリーガイ」になっていては、組織のパフォーマンスは落ちるばかりです。理屈も立場も抜きで、互いに「人間」として対等なコミュニケーションを深めながら、組織に自信と活力を蘇らせる。それが私のミッションです。 

 

あなたの課に、「ロンリーガイ」はいませんか?

 

→ ライフ・ブレークスルー・ジャパンの「課・育成プログラム」

  http://life-btj.com/wp-content/uploads/2018/12/3261c8a70d16e18b1571486a26e15e9f.pdf

 

  

では、また。

 

 

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ライフ・ブレークスルー・ジャパン株式会社

代表取締役 ローレンス佐藤

http://www.life-btj.com

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