組織のミカタ

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ローレンス佐藤のオフィシャルブログ

ケース紹介(大手電機メーカー)

今回は、弊社がお受けした具体的な事例についてご紹介したいと思います。

 

お客様: 大手電機メーカー 企画系部門 某課

メンバー構成:

 課長:  40 女性

 課員:  30代〜60代の男女6名

                 派遣社員  10名程度

 

ご依頼の背景:

組織再編により、二つの課が統合され、新たな課を率いることになった女性課長からのご依頼。企画・クリエイティブ系という業務上、専門性の高い職人気質のメンバーが多く、それぞれが他人行儀な様子で、良く言えば、皆が大人の対応をしていると言えますが、もっと、それぞれの領域(役割)を超えて、率先してお互いに助け合いができるような課にしたい、という願いをお持ちでした。さらに、メンバーはほとんど自分より年上で、役職経験者も多く、どうチームをまとめていくべきかについてもお悩み。全員との個人面談を控えてらっしゃったので、その前に、互いの意思共有を含めたチームビルディングをやりたい。というお話でした。

 

そこで、レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップを企画しました。まず今回は、課長含め、7名の正社員を対象として約5時間のワークショップを実施しました。

 

レゴ®シリアスプレイ®メソッドは、与えられた問いに対して、ロジカルに思考して答えるのではなく、各自がまず形を作り、その形を使いながらひとりひとりが自分の思考を説明する、というプロセスを取ります。それにより、「答えありき」の議論ではなく、ひとりひとりがしっかりと内省したものを、形という具象物を介しながら全員が受け入れていくことが可能になります。レゴは何度でも作り直すことが簡単にできますので、思考しながらリアルタイムに形を変えていけるメリットがあります。ファシリテーターは、ワークショップにおいて、どういう問いを投げかけるか、そして、レゴ®シリアスプレイ®メソッドの7つあるテクニックの中から、どれを使って取り組んでいくかを考えるのが主な仕事です。

 

今回のケースにおいて、テーマは、

“全員がコミットできる理想の「組織の姿」をつくる”

としました。

 

そこに至るワークショップのプロセスは以下としました。

 

キルビルディング(レゴ®シリアスプレイ®メソッドのプロセスを理解する演習)
(そのステップ3にて、「悪夢のような仕事の依頼とは?」)

仕事における自分の強みは?

あなたは、この組織がどんな「チーム」であって欲しいですか?

全員がコミットできる「理想のチーム像」の制作(共有モデル)

「理想のチーム像」実現に向けた、あなたの行動は?(コミットメント)

 

いくつか、実際の作品とそのストーリーをご紹介します。

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いかがでしょうか?

 

同じテーマでそれぞれが作品をつくり、ストーリーを語っていますが、同じ仕事をしているひとつの課であっても、人によってこんなに考え方が違う、ということが一目瞭然にわかります。

 

「こんなに考え方がバラバラで、ひとつのチームとしてやっていけるのか?」

「それぞれが好き放題に考えを表現してしまっていいのか?」

 

そう思われますよね。

 

次にお見せする作品は、ひとりひとりが表現した「自分が望むチームのあり方」を全員でひとつの「共有モデル」(全員がコミットできるチームのあり方)へと進化させたものです。

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どうですか?

 

ちゃんと形になるんです!

 

ひとりひとりの作品の中から、「絶対に外せない」大切な部分を持ち寄って、そこから、全員でひとつの形を作り上げていきます。まさに共創です。そこには、自分の思いがしっかりと入っているので、コミットメントとオーナーシップが自然と生まれます。

 

これが、普通の議論の結論の出し方と大きく異なるやり方です。普通の議論の場合、大概が、全員の意見の共通項だけを取り出す(最大公約数的)か、多数決か、その場で一番権力のある人が決定するやり方になると思います。しかし、そのどれも、全員のコミットメントを得ることができません。賛同してない人は、その場ではやります。といっても、決して本気ではやりません。しかし、自分の思いが入っているものについて、人は無視することはできません。それがLSP流の合意の方法です。

 

そして、この全員がコミットした「理想のチーム像」。このままでは絵に描いた餅になってしまいますので、行動のコミットメントをつくってもらいました。それがこちらです。

 

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以上が、今回実施したワークショップです。

 

ひとりひとりの行動コミットメントはまだ抽象度が高いですが、今回は各自の指針となる言葉が出てくればOKということで、ここで終了しました。さらに具体的なところは、この後実施される個別面談にて、課長とメンバーが一対一で議論しながら詰めていかれました。

 

実施終了時点ですでに課長からは、各メンバーの普段見えない側面が非常によく理解できた。自分のスタンスも自然に伝えることができてとても良かった。メンバー間の理解も深まったようで、大変価値ある一日だったと、ご好評を頂いておりましたが、実はこのワークショップを実施したのは半年前なのですが、先日、その後の様子をお伺いしにいったところ、「組織の雰囲気が非常に良くなっています」との言葉を頂戴しました。

 

参加していた50代男性のひとりは、元々役職についていた方だったのですが、役職定年でメンバーの一員となられて、課長やメンバーとの距離感を少し測りかねている感がありました。それが、ワークショップを通じて課長との関係性が変わり、今では組織のよきアドバイザーとして課長をサポートしてくれる存在になり、本人自身もそのあり方にやりがいを感じていらっしゃるそうです。

 

課長自身も、課員との関係性が良くなり、最近実施された360度評価において、全ての項目でその会社のマネージャー平均を大きく上回る数値が出て、メンバーとの関係性に一定の安心感を得るに至られたとのことです。

 

このように、「課」をよりよく、より強く、より健全にする為に、レゴ®シリアスプレイ®メソッドのワークショップは非常に大きな力を発揮します。組織に悩む課長の皆さまに、是非お伝えしたいワークショップです。

 

では、また。

 

 

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ライフ・ブレークスルー・ジャパン株式会社

代表取締役 ローレンス佐藤

http://www.life-btj.com

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