組織のミカタ

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ローレンス佐藤のオフィシャルブログ

思いを交わしたい時は、目を合わさない

「人と話す時は相手の目を見て」

「話を聞く時はうなずきながら」

 

ってよく教わりますよね?

 

世の中の書物においては、相手とのよい関係やラポール(心が通い合っている状態)を築く為に、このようなコミュニケーションスタイル、いわゆる「傾聴」をしましょう、とよくいいます。

 

課長さんたちも、このように意識して部下とコミュニケーションを取ろうとしてる方が多いのではないでしょうか?

 

しかし、課長自身も含め、課のメンバー間の関係性を良くしたい、風通しを良くしたい、心通う関係づくりをしたい、という場合には、私は違うやり方をオススメしています。

 

それは、「目と目を合わせないコミュニケーション」です。

 

その説明に入る前に、まず、目と目を合わせるコミュニケーションが有効に機能するケースについて、私は以下のように分析しています。

 

①親しい友人、恋人など、そもそも相手の顔を見るのが楽しいと思える間柄の場合

②親から子、あるいは上司から部下に教え諭したり、叱ったりする場合

③情報を確実に相手に伝達したい場合

④ホウレンソウ(報告・連絡・相談)する場合

⑤自分の意見を主張したい場合

 

①は、相手の顔や目を見ること自体に目的(楽しみ)がある場合ですが、②から⑤についてはいずれも、「言葉」や「熱意」を「相手に向けて」届ける、という目的が背後にあります。つまり、意思のベクトルを相手に強く向けたい場合です。そのようなケースでは、目と目を合わせるコミュニケーションは有効に機能すると思います。

 

一方、「心通う関係づくり」においては、目と目を合わせるコミュニケーションはむしろ以下のようなネガティブな効果を生み出します。

 

①相手に圧迫感(プレッシャー)を与える

②立場のパワー(上下関係)を強く相手に感じさせる

③伝える側が聞く側に同調・同意を求めがちになる

④相手の表情が気になる(相手の表情に左右される)

⑤聞く側はその場でじっくりと考えにくい(少なくとも目を見て聞いてる間は)

⑥緊張する為、長時間持たない(疲労する)

 

例えば、課長さんは、年に一回、ないしはニ回、多い会社では四半期に一回、課員との個人面談をされると思います。どうですか?一対一の面談、疲れませんか?相手に理解してもらおう、説得しようと思えば思うほど、目に力が入り、相手が納得するまで、あの手この手で話を変えながら、相手の反応を気にしながら話しませんか?相手が自分の目を見てくれないと気になりますし、部下が明らかに居心地悪そうにしてるのを感じてしまうのも嫌ですよね?

 

「いかん、いかん、相手の話も聞かなくては」と、相手の目を見て、ずっと相槌うったり、へーとかはーとか、なるほどー、とか言うのも、正直疲れる作業です。その話に興味が持てなかったり、自分の考えと照らし合わせながら、ジャッジしながら聞いていればなおさらです。(ちなみに、上役であることにあぐらをかいて、そういう努力すらしない課長さんはここでは論外とします)

 

個人面談の例は少し極端かもしれませんが、大の大人が目と目を合わせて話をするというのは正直快適なものではありません。少なくとも、自分の思いを安心して開示できるコミュニケーションではないと思っています。

 

そこで、活用頂きたいのが、「目と目を合わせないコミュニケーション」です。

 

分かりやすい例で言えば、バーカウンターで隣り合わせながら語るスタイル、あるいは、キャンプファイヤーを囲みながら語り合うスタイルです。互いの目線や注意を引けつけるものが他にあって(バーならカクテルやマスター、キャンプファイヤーなら炎)、意識のベクトルをそちらに向けながら語れる状況です。

 

人は、意識のベクトルや、言葉の矛先が自分に向いてないと思うと、安心して人の話が聞けます。会社という常に評価がつきまとう環境下で会話をしている大人であればなおさらです。職場という環境において、言葉は「刃」になってしまう可能性を常に秘めています。なので、皆非常に注意し、気を使い、時に黙ることを選択します。刃を突きつければ、刃が返ってくることを人生の中で経験していますし、自分にはそのつもりがなくても、相手が勝手に刃だと勘違いして攻撃してくることも多々あることを大人の皆さんは知っています。

 

では、「課員全員をバーやキャンプファイヤーに連れていこう!」、、、、というのもあまり現実的ではありませんね。懇親会や慰安旅行としてならありかもしれませんが、そこでは仕事や会社にまつわる真剣な話はテーマとしてあまりそぐわないですし、お酒が入ってしまえばなおさらです。しかし、課長さんとしては、組織を良くする為にメンバーと意思疎通を図りたい訳ですし、メンバーが仕事についてどう思ってるか、自分の課についてどう思ってるか、などについて真剣に語り合いたいはずです。また、それをみんなで共有したいと思っているはずです。

 

そんな時に最適なやり方があります。

それは、「カタチ」を媒介として語り合う、という方法です。

 

テーマに対して、ひとりひとりが自分の思いを「カタチ」にして、そのカタチを見つめ合いながら、ひとりひとりの思いや考えを共有していくやり方です。そこには、バーカウンターやカクテルも、キャンプファイヤーも不要です。広いテーブルさえあれば、実現できます。

 

そして、使う道具は専用の「レゴブロック」です。自分のモヤモヤとした思考をカタチにするというプロセスを通じて自分の思考を深め、作ったカタチを見つめながら、その意味を自由に言葉にしつつ、自分自身の思考を整理していく。周りの人はそのカタチに意識を集中しながら話を聞き、時にそのカタチに質問をしながら理解を深めていく。意識や言葉のベクトルは「誰か」ではなく、常に「カタチ」に向かっています。

 

その心理的に安全を感じられる場において、メンバーは互いの思いを開示し、理解し、浸透させていきます。そこでは目と目を合わせる必要ありません。相手の同意を気にする必要もありません。それでもちゃんと議論を成り立たせるのは、ファシリテーターの役目であり、レゴ®シリアスプレイ®というテクニックです。

 

「目と目を合わせず、心を通わすコミュニケーション」してみませんか?

課の雰囲気が変わっていきますよ。

 

では、また。

 

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ライフ・ブレークスルー・ジャパン株式会社

代表取締役 ローレンス佐藤

http://www.life-btj.com

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